ウズベキスタン鉄道
ウズベキスタンは観光大国であり、欧州に行きすぎて今更エッフェル塔みたいなのには飽き、Something newを感じられなくなった旅行者が多く訪れる。
鉄道は主要な都市を結んでいるにも拘らず鉄道を網羅的に紹介するサイトがない。日本語だけでなく英語で探しても断片的な情報しかない。おそらくサマルカンド的な陽キャしか来ないし鉄道特化の記事を書かないからだろう。
安心して欲しい。キモ・ヲタクが執拗に調べた当記事なら完全にウズベキスタンの鉄道を理解できる。
路線図、切符、駅舎、高速列車、夜行、食堂車、電車、撮影を網羅した。
ウズベキスタン完全に理解した!
長距離列車 路線図
ウズベキスタン国鉄公式サイトおよびマルシュルット.ruより作成
ルートリスト
サマルカンド新幹線
Tashkent North – Samarkand
Tashkent North – Buhara
東方面
Tashkent North – Andijan
Tashkent North – Andijan(ナマンガン経由) 063Ф
南方面
Tashkent South – Shariasiya
Tashkent South – Termz
Tashkent South – Shahrisabz (2022.04現在運休?)
中部ブハラ方面
Tashkent South – Bukhara
Tashkent South – Alat
西方面
Tashkent South – Khiva
Tashkent South – Shavat(Arab) ウチクドゥク,ナマンガン経由 653Ф
Tashkent South – Shavat(Arab) ブハラ経由
Tashkent South – Kungrad
アンディジャン発国内横断列車(週1本程度が多い)
Andijan – Khiva
Andijan – Kungrad ウチクドゥク経由
Andijan – Kungrad ブハラ経由
Andijan – Termz
テルメズ発ヒバ 週1本
Termez – Khiva
区間路線(南)
Kumkurgan – Shariasiya
区間路線(西)
Kungrad – Karakalpakiya
※マルシュルット.ruに出ているがウズベク国鉄には出ず、実際に2022.04今現在走っていない路線(タシケント-サマルカンド-Shahrisabz)、
※マルシュルット.ruではヌクス行になっているが実際はKungradまで行く列車(Andijan – Kungrad, Tashkent- Kungrad )がある。
ウズベキスタンでは運休になったりルート変更がある場合もある。筆者滞在中はTashkent – Buharaのアフロシヤブ(新幹線)は運休し、サマルカンドまでだった。 5月上旬から再開した。
乗車方法
ウズベキスタン国鉄に乗るのは難しくないが、他国と少し変わったところがある。ブログを読まなくてもその辺の人に聞けば何とかなるレベルだが紹介しておく。
チケット売り場について
ウズベキスタンの駅では駅舎(駅本屋)に切符売り場が無い。
横にある別の建物に切符売り場があるので注意して欲しい。
混んでいる時は列がグチャグチャで、割り込みもあり生粋イポンスキーの僕にとってはイライラした。割り込んできた奴にはヤーペールヴィ(俺が先だろ)などと容赦なく言おう。
ソ連な切符
ソ連からずっとある紙製チケットを未だに発行している。発車後しばらくすると車掌が回収しに来る。(新幹線の場合は回収しに来ない)
下車前に車掌がもうすぐ着くと告げるついでに返却してくれる昔ながらの方式だ。
2017年ごろはロシアでも紙券が残っていたが今はほぼ消滅(※)した。ウズベキスタンで郷愁に浸ることが出来る!新幹線ですらこのチケットだ。ソ連チケットで乗れる新幹線は世界唯一だろう。
ウズベキスタン人はテキトーなので、返却しに来ない車掌もいるため、券を土産に持ち帰りたい場合は自分から言いに行くと良い。
※ノヴィウレンゴイ(ヤマロ鉄道)では2022年3月においても紙券であったのでロシアで全て消えたとは言い切れない。
アプリ予約
アプリ予約、ネット予約は可能だ。 Android なら App Store, iPhone は Apple Store からUzbekistan railways を入手する。
列車を検索し、アカウントを登録し乗客情報を入力する。決済はクレジットカード対応。
アプリがたまに不安定になるが、窓口で外国語をしゃべるのが苦手な人はぜひ利用して欲しい!
駅舎
駅舎とホームには基本列車に乗る人しか入れる気が無いようで、警備員が限られた出入り口で荷物チェック、監視している。この点はロシア国鉄より厳しい。
駅内を見物するだけ目的でも頼めば入れてくれるだろうがパスポート提示が必要だ。
長距離列車
昼行と夜行、新幹線がある。新幹線以外の長距離列車は国土が広いので夜行が多い。
筆者は昼行の普通の座席列車は乗っていないので、今回は新幹線と寝台を紹介する。
新幹線
車両はスペインのタルゴだ。タシュケントからサマルカンド350kmを2時間8分なので平均170km/h程度でかなり速い。
GPSで計測したところ最高速度215km/h出ていた。すべての区間で最高速度はでなく160km/h程度走ることも多い。
国家の威信をかけて走っているらしく(在ウズベク スタン系男子氏談)、車掌は全員英語が出来る。
この国の交通機関でおそらく唯一冷房がついている!ウズベキスタンではバスだろうが鉄道だろうがタクシーだろうがめったに冷房は無いのだ。
運賃 (新幹線)
サマルカンド-タシケント 350kmがエコノミークラスで1100円と格安な上に、エコノミーですら無料で軽食と飲み物が配られる。
新幹線の最高峰はトルコとウズベキスタンと言って間違いないだろう。
新幹線は1100円という値段にも拘らず、無料で軽食が付いてくる!
寝台
ウズベキスタン国鉄ではソ連を継承した座席の種類になっている。ソ連鉄にはおなじみだが、プラツカルト、クペー、リュクスだ。
- プラツカルト (英語: 2nd class) 1000kmで1800円程度
- クペー (英語: Business) 1000kmで2700円程度
- リュクス 1000kmで4000円程度
問題は3点ある。
まず冷房が付いていない事。客車が古いので仕方ないが、4月でも暑かった。窓を開けるしかないが、一部の窓は客車がぼろいので壊れて開かない。
次に電化区間では120km/hとかなりのスピードで飛ばすため、揺れて眠れない。これは地元民も眠れていない人が居る。
RZDではチンタラ走るので乗り心地が保障されるが、ウズベキスタンは何が何でも飛ばしたいスピード狂だ。よって熟睡は難しいだろう。若者の体力がある人には問題ないかもしれない。
3つ目に深夜の長時間停車中に何か物売りが乱入してきて、睡眠を妨げることが稀にある。暗くて何売ってるのかすら分からないし、そんな時間に物を買う奴が居るとも思えないが、ウズベキスタン人の行動は理解を超えているため仕方ない。
異国情緒たっぷりだぜ。
車内販売
車掌は何も売っていない。レストランからの営業は来る。
ロシア国鉄のように車掌による車内販売が無いため常時簡単に買えるわけではない。
食堂車の従業員がたまに手軽な食べ物や飲み物を売りに来るときがある。タイミングが良ければ利用可能だ。
食堂車
長距離列車には必ずレストランが連結している。
筆者はタシケント→クングラド乗車時に利用した。相席になった男が奢ってくれたので僕は払っていないが、2人分で70,000スム(800円程度)だった。チャイやサラダは共用で食べたので安くなったのだろう。一人で食べる場合は500円程度と思われる。
列車内でも市中のレストランと変わらない値段で食べれるため、多くの人が利用する。
ウズベキスタン国鉄はかなりスピードを出す上に客車が古いので、かなり揺れる。調子に乗って食べ過ぎると本当に吐きそうになるので、あまり注文しすぎない方が良いだろう。
近郊列車(エレクトリーチカ)
エレクトリーチカは
- タシケント
- アンディジャン
- テルメズ
の3都市にある。筆者はアンディジャンとテルメズは訪問していないため未確認。
タシケント の電車
タシケントには3方向にエレクトリーチカが走っている。
- タシケント- ホドジケント
- タシケント – ベカバッド
- タシケント – アングレン
エレクトリーチカのみの詳細は以下
以下のサイトで時刻表が公開されている。
https://tashtrans.uz/shema-napravleniy-i-raspisanie-prigorodnih-elektropoezdov-tashkenta/
運賃 (エレクトリーチカ)
Tashkent south – Hodjikent 4500スム(50円)
安すぎて冗談みたいな値段なのであまり気にしなくていいだろう。
車両
タシケント近郊列車の車両は3種類ある
- 角エレクトリーチカ
- 丸エレクトリーチカ
- 客レ
殆どが角エレクトリーチカだ。
丸エレクトリーチカは筆者は1編成(ER2M – 3004)しか見ていない。ホドジケント線に充当されるが、4往復のうちどれで運行かは日によって変わる。
客レは、アングレン行きに充当する。近郊列車でも客レというのはロシアと同様に地味に存在するのだ。
鉄道撮影は可能か?
駅での撮影について
駅で撮影していて咎められることはごく稀だ。
1度だけタシケント南駅で発車前に機関車を撮っていたら、警備員にパスポート提示を求められた。一瞥するだけですぐに解放された。
沿線撮影について
踏切番が居るところでは、許可が無いと駄目だと言われた。
農村地帯、無人地帯では問題ない。
厳密にいえば問題なのだろう。怒りの警笛が聞こえるときは有り間違いなく無線連絡はされているが、わざわざ鉄警を動員して連行しにくるようなことは行われないようだ。そもそもウズベキスタンでは戦車を鉄道で運んだりしない。(筆者が知る限り)
地元民に話しかけられることはある。地元民は鉄道撮影について問題視していないようで、チクりはまず無いと言っていい。
※全て僕の運が良かっただけの可能性はある。
参考サイト